運転士の一日|ABOUTのせでん|のせでん【能勢電鉄】

運転士の一日

5:00

出勤前の準備

運転士の一日はとても早い時間から始まります。出勤した運転士はまず制服に着替え、それから自分の鉄道時計の時刻を1秒の狂いもないように合わせます。これは列車を正確に運行するうえで最も欠かせないことです。
それから、その日の乗務時間中に駅間などで実施される工事や、運転をするうえで注意しておかなければならない点など、当日の列車を安全に運行するために必要な情報を乗務手帳に記入していきます。
最後に、鏡でネクタイや制帽のゆがみがないかなど、身だしなみをきちんと確認してから出勤申告を行います。

5:11

出勤申告

出勤申告は上司と対面する形で行います。
自分の携帯電話を専用の保管ボックスに収納した後、アルコール検査を行います。
それから、先ほど乗務手帳に記入した運転通告事項や、その日に自分が乗務する系統に関する注意事項を読み上げ、上司とともに確認します。
その後、鉄道時計が正確であるか、乗務に必要な携帯品を持っているか、自身の体調が良好であるかなども上司とともに確認します。
最後に、上司から前日の出来事や当日の天候などの注意点を聞いて出勤は完了となります。

5:20

車庫へ移動、出庫車両点検

お客様の安全を守るため、車庫から電車を出すとき(これを出庫といいます)は、運転士が事前に電車の安全確認を行います。電車を動かすうえで必要なスイッチ類や、機器類が正常に動作するかどうかを一点一点丁寧に確認していきます。
また、夏場は冷房、冬場は暖房を前もって点けておくことで、快適にお客様にご乗車いただけるよう、車内環境の整備も同時に行っています。

5:53

出庫

一通りの点検作業を終えたら、いよいよ電車を出庫させます。早朝は、同じ時間帯に出庫する電車が多いため、自分の列車の出庫時間をきちんと把握しておくことも重要です。
出庫した電車は、まず回送電車としてお客様のもとへと走っていきますが、その間も運転士は周囲の状況や通過駅の状態などに気を配りながら運転します。

5:58

乗務開始

能勢電鉄では朝と夕方の時間帯に運行している「特急 日生エクスプレス」を除き、すべての列車でワンマン運転を行っています。そのため、運転士は電車を動かす・止めるだけではなく、駅に到着してからの扉の開閉操作、注意のアナウンス、さらには事故が発生した場合の対応などをすべて一人で行わなければならず、その責任はとても重いものとなります。
運転士はお客様を安全、かつ時間通りに目的地に送り届けるため日々緊張感をもって乗務を行っています。
その日の乗務系統によって多少の違いはありますが、標準的な一日の勤務としては、乗務員の拠点のある平野駅から日生中央、妙見口駅まで、そこから折り返し川西能勢口駅まで、そして川西能勢口駅から折り返して平野駅までを1往復として計算し、およそ1日で5往復半を乗務していきます。

13:48

乗務終了

朝早くから続いた勤務もようやく終わりです。交代の乗務員の姿が見えても気を緩めることなくブレーキを操作し、扉を開け、引き継ぎを行ったら、お客様を乗せた電車を最後まで確実に見届け、異常がないことを確かめます。
一往復一往復、何事もなく終えることの積み重ねが、安全運行を支えているといっても過言ではありません。

13:58

退勤申告

一日の乗務が終了したら、朝と同じく上司と対面する形で退勤申告を行います。退勤申告では乗務中にお客様から頂いたご意見や、自身が乗務していてヒヤッとしたことなどを報告します。
こうした一人一人の確実な仕事の積み重ねがよりよい「のせでん」を作る原点にもなっており、報告を終えると、一日の仕事はすべて終了となります。お疲れさまでした。

14:00

翌日の勤務に向けての準備

退勤申告を終えたら、翌日の乗務に備えて身の回りの携帯品の整備を行った後、自由な時間がやってきます。自宅でゆっくりと体を休めたり、気分転換に適度な運動を行ったりとその時間の過ごし方は人それぞれですが、リフレッシュして翌日の勤務にのぞめるようにしていきます。

取材に協力してくれた運転士さん

名前
工藤雄介さん
勤続年数
7年(2012年入社)
好きな車両
3170編成車

運転士のやりがい

運転士の仕事は、お客様を安全かつ快適に、そして時間通りに目的地までお届けすることです。お客様の立場から見ると、電車が時間通りに駅に来て、時間通りに目的地の駅に着くことはいわば「当たり前」の日常だと思います。私たちの仕事はその「当たり前」を「当たり前」のこととして守ることであり、それが使命であると思っています。そのため、一往復、一往復ごとに事故なく、時間通りに電車を運行できた時のやりがいはとても大きいものがあります。
また、運転士という仕事は小さなお子様から特に注目を集める仕事でもあります。お子様が電車から降りるときに「バイバイ」と手を振ってくれるとほっこりすると同時に、子供たちに夢を与える存在としてのやりがいも感じます。

運転士のカバンの中身

運転士のカバンの中には様々なものが入っています。
ちょっと覗いてみましょう

  • 乗務手帳(一日の勤務をする上での注意事項をまとめたもの)
  • 運転取扱心得(電車を運行するにあたって必要な規則をまとめたもの)
  • ワンマン運転取扱マニュアル(電車を運転するうえで必要な事項や異常時の対処法などをまとめたもの)
  • マスコンキー(電車を動かすために必要な鍵)
  • 忍キー(乗務員室の扉を閉めたり、開けたりするときにつかう鍵)
  • 戸閉キー(電車の扉を開け閉めする装置を動かすために必要な鍵)
  • 鉄道時計(運転中に時間を確認するために使用する時計)